肉鹿

哀れなるものたちの肉鹿のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.2
ツギハギ顔面の悪魔的外科医によって家に閉じ込められていた絶世の美女。無垢な魅力で男たちを翻弄して大陸横断の冒険に旅立つが、そこで知った世界の広さにとめどなく成熟していく———ヨルゴスランティモス監督作品。

参りました🙇‍♀️エマストーンにオスカーあげてほしい。ジョーカー並みのキャラクターをこの世に生み落としちゃった👏🏻

なんてったって眉毛ですよね~🤤
ポスター通りの眉の太さが違和感としてまず目につくけど、ファンタジックな作品の世界観のおかげですぐに現実世界と乖離してるのがわかるからこの眉が無邪気さや無垢な美しさの象徴に思えて違和感拭い去られていく。奇抜な服装もほとんど同じタイミングで気にならなくなる。まるで赤ちゃんのかわいさに目を細めちゃう瞬間に似てる🤱🏻

この圧倒的な世界観を作り出したセットがまず素晴らしくて、やっぱりランティモスはロケよりセットや完全CGが似合う監督だと思う。お願いだからこれからも外に出ないで、引きこもっててw

さらに素晴らしいのはモザイクがないこと。
エマストーンがちんこで遊ぶ無邪気さにいやらしさなんてひとつもなかったから、無修正であることが本当に意味ある稀有な映画。
そのあとも露悪的なまでにセックスシーンが目白押しだけど、とにかく無垢だから嫌悪感はあまりない。むしろ熱烈ジャンプを心底楽しんでてよかったね、て微笑ましい☺️

音楽も無邪気さにひと役買ってて、音の外れ方が子供みたいでかわいいしコメディセンスも相変わらず!
特に今作はマークラファロが監督から寵愛受けてる😂

世界一の遊び人のはずが、徐々に沼落ちして世界一惨めになる男を喜劇的に好演しててたくさん笑ったよ!100年前の喜劇映画にも出れそうなぐらいの魅力👏🏻

さらに監督らしい独特な間の暴力性も健在。
それを「女王陛下のお気に入り」と同じようにのぞき穴から覗くようなショットを多用して、共犯関係に仕向けてくるいやらしさで緊張感は途切れない。

途切れないけど後半になるほど動きが少なくなって哲学的になってくるから、いっしょに観てた友達カップルは飽きてきてた。
まあそれも前半のインパクトからの高低差とエマストーンの成熟度の速さにあっという間に追い越され、論破される側になっちゃったからなんだけど。
ちなみにわたしも論破されるほう😂
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