スローモーション男

哀れなるものたちのスローモーション男のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.8
 ヨルゴス・ランティモス最新作

 これは素晴らしかった!

19世紀のロンドン。とある女性が自殺し、ゴドウィン博士がその女性死体に胎児の脳を埋め込みフランケンシュタインとして蘇らせた。蘇ったベラという女性は少しずつ知性や感性を付けていくが、弁護士ダンカンと海外を旅し、欲望や快楽に依存していく。

 欲望や快楽に依存するな!
 人や物に依存するな!
 進歩しろ、知を学べ
 知を知るのは恐ろしいけど、それでも前に進んでいこうと思えた。

 エマ・ストーンの演技が素晴らしすぎる!!!
 

 助手のマックスが本当にいい人だったな。他の男たちはベラを女としてしか見てないけど、マックスは人間として見ている。そうこれからはこうやって人と接するべきだと思う。
 ベラとマックスが湖畔の近くを歩きながら結婚の誓いを交わすシーンはちょっと泣いちゃった😢

 正直、性を解放することが女性の自由なのかと言われると怪しいし、後半のベラがロンドンに帰るくだりがすんなり行きすぎたり、女医になるために勉強していく部分があまり詳しく描かれてないのは残念でしたが、それでもこんなに知を学ぶことが素晴らしいと思える映画になったのは良かったですね。