まとぅん

哀れなるものたちのまとぅんのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.9
話題のアカデミー賞ノミネート作品を鑑賞してきました🎬
それなりにヨルゴス・ランティモス監督作品は通ってきてるし、出演陣も好きな役者さんばかりなので楽しみにしてました😌


ー不幸な若い女性ベラは自ら命を絶つが、風変わりな天才外科医ゴッドウィン・バクスターによって自らの胎児の脳を移植され、蘇生する。「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられた彼女は、放蕩者の弁護士ダンカンに誘われて大陸横断の旅に出る...


↓ネタバレ含む❗️


○胎児の脳を移植し、蘇生したベラが世界を航海して渡り歩き、真の自由と"生きる"ことを学んでいく冒険譚。
好奇心旺盛で無邪気な子どものように世界を知ろうとすればするほど、社会の醜さにも出会うことに。旅の道中に訪れる困難や恐怖を知っては悲しみ、無知故に斬新な発想を発信する哲学的対話を通し、逞しく成長していくベラに注目👀
「私の身体は私のもの」
自分の身体をどう使うかは自分で決めるべき、と自ら娼婦となって経験し、既存のシステムに「なぜ?」と問いかけ、自ら提案もするベラには、冒頭の平気でカエルを殺したり、物を投げつけたりと感情の赴くままに行動する幼き姿はもう無く、知性と倫理観を兼ね備えた女性へと変貌していた。

対照的にベラに関わってきたいわゆる男尊を誇示する男性陣は、無様にも悉く崩れ落ちていくのも滑稽。

○次々変わる可愛らしい衣装に、メイク、小道具、ファンタジックで壮大なセット、そして音楽にエンドロールまで細部までこだわりが感じられた。お馴染みの覗き込むような魚眼レンズや白黒の画面を通して窮屈で歪んだ世界を表現し、対して色鮮やかなカラーの世界で抑圧から解放されていく様子も感じ取れる。少なくとも衣装デザイン賞や美術賞は貰ったんではないでしょうか🏆

ウィレム・デフォーも、マーク・ラファロもかなりの適役で、初知りのラミー・ユセフも素晴らしかった!彼が演じたマックスがベラの良き理解者、そして良き恋人として機能。振り回されてちょっと可哀想だけど笑


○これまでの『籠の中の乙女』『ロブスター』などをオマージュしたかのような演出には、ランティモス監督作品を観てきた甲斐があったなぁと。個人的にあまり評価は高くないけど🤫
あと、後々になって自分を見つめる材料になるのは良いとして、そんなに出さなくても…と思うほどあまりにもセ○クスするわ、笑っていいのか分からない表し方(「熱烈ジャンプ」)をしているわでかなり気まずい時間はあり、デートムービーとしてはオススメできぬ😂
ただ、赤ちゃんよちよち歩きに、華やかな衣装に、奇抜なダンスに、すっぽんぽんに、と幅広くベラを演じたエマ・ストーンという役者やっぱすごいよ…。
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