みねち

哀れなるものたちのみねちのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.6
これは凄かった…
刺激が強すぎてものすごく万人受けしなさそうだけど、変にそこばかり目に付くこともなく、わたしにはしっかり刺さった。


"成長と進歩が目的でしょ?"
どんどん成長していって、ダンカンから離れていくベラ。
人が離れていく時は自分が成長している時とはよく言ったもので。

動物的な成長、性的な成長を越えて、精神的に成長していくのがベラの言動から歩き方からわかりやすく伝わってくる。
ベラが初めて音楽に触れて感動しているシーン、すごく好きだった。
精神的な成長をしないまま大人になってしまったかのようなダンカン、こういう人いるよねって納得しちゃった。


裏も表も、社会通念も倫理観もない。あるのは好奇心と知識欲。そんな純粋で真っ直ぐなベラの目に映る世界はなんと面白いものに溢れて、絶望にまみれているのだろうか。
そんな世界に生きる人間たちは哀れだけれど、そんな中でも、夢を持って進歩しながら生きていく。
ラスト、響き渡るパイプオルガンの音に包まれて、なぜか感動してしまった😳
これは哀れで滑稽で美しい人生讃歌。

すっごいもの観たなあ…
みねち

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