ふたりのマエストロのいち麦のレビュー・感想・評価

この父と息子、同じ音楽の、しかも狭いニッチを巡って生きているばっかりにライバル意識で拗れてはいるが、相手を理解し思いやる気持ちはまだしっかり機能している親子のように見えたがどうだろう。ただ、物語ではわざとらしく不自然に感じられる箇所が多々あり引っかかった。着地に至る経緯は大胆に省略されても確かに想像で補うことはできるが、登場人物の心の動き・変化は、やはり人間ドラマなんだから端折らずしっかり描いて見せて欲しい。とことん淡白な演出にしたかったのだろうか。