いち麦

ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人のいち麦のレビュー・感想・評価

5.0
ジャンヌがルイ15世に特別に愛され大切にされた理由は、単に彼女にコケティッシュな魅力があっただけではないはず。多く残る悪評も周囲の嫉みと誤解から生まれてきただけなのではないのか。見ていて監督・脚本(共同)・主演を熟したマイウェンの、そんな挑むような姿勢が強く伝わってきた。また、近世ヨーロッパの宮廷で採られていた公妾という制度とその仕来り、宮廷内での様々な慣習などとても興味深く惹きつけられた。実際にロケの行われたベルサイユ宮殿内の荘厳な装飾や俳優たちの纏う煌びやかな衣装だけでなく、さり気なく切り取られた遠景のカットも圧倒的に美しく魅せられた。目だけで周囲に喝を入れて回るルイ15世、彼の最期に別れを告げ退くジャンヌなど印象に残る場面も多数あった。ジョニー・デップももう60歳なのか…。大満足の作品。
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