トールキン

裸足になってのトールキンのレビュー・感想・評価

裸足になって(2022年製作の映画)
3.9
夢を絶たれた彼女の今後の生き方、そして彼女が生活するアルジェリアという国の社会情勢。それらを重ねて見ると嫌でも複雑で重い気持ちになってしまう。こんな状況で夢も希望も持てるのか、一体何にすがって生きていけばいいのかって思ってしまう。

戦争の傷跡がいまだに残り、テロリストが身近に存在してさらに警察組織が腐り切っている。そんな環境や不遇な境遇でなおかつ何度も絶望を味わっても踊り続ける、踊ることが私の生きる道。そんな強くたくましく生きる彼女の姿に尊敬のような憧れのようで頭が上がらないような気持ちになる。自然と彼女を応援するようなそんな感じで見入ってしまっていた。さらに自分が如何に平和な日常を送っているかと思い知らされる。

フーリアを演じたリナ・クードリは実際にアルジェリア生まれで内戦から逃れるためにフランスに移住したという。鋭い眼光が特徴的で個人的にはスカーレット・ヨハンソンを彷彿とさせるような佇まいでとても魅力的。

さらに「コーダ あいのうた」のルビーのお父さん役のトロイ・コッツァーが製作総指揮を務めた今作は手話を使ったダンスパフォーマンスのシーンは圧巻の一言でした。
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