千年女優

タイタニックの千年女優のレビュー・感想・評価

タイタニック(1997年製作の映画)
4.5
84年前に沈没したタイタニック号から発掘された一枚のスケッチに描かれた、最高の宝石「碧洋のハート」を身にした裸体の女が自分だと名乗り出た老婆ローズ。当時米国の富豪との望まぬ結婚を言い渡されて英国発米国行の客船に乗船していた彼女が、悲劇的な結末までの間に若き絵描きジャックと過ごした愛のひと時を描いた恋愛映画です。

1912年に世界最大級の豪華客船が氷山衝突で沈没して1500人もが犠牲になった海難事故をジェームズ・キャメロンが描いた作品で、拘りのセットでの圧巻のスケールと、大衆受けする『ローマの休日』や『アラジン』型の身分違いの恋愛物語が旋風を起こしてアカデミー賞で歴代最多11部門を受賞すると共に世界興行収入記録を塗り替えました。

上映時間三時間超えの超大作ですが、絢爛豪華な美術で惹きつけ、史実を基によく練られた脚本で見せ場は絶えず、加えてスーパースターの座を盤石にしたディカプリオの魅力で没入させます。敵役描写はやや気の毒ですが、「階級社会の終わりと自由の目覚め」を象徴的に表現し、それを数々の名台詞と名シーンで彩った最高峰の娯楽作です。
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