このレビューはネタバレを含みます
ローズとジャックの愛が尊い。
救助ボートから飛び降りて、ジャックと運命を共にすることを決めたローズの行動や、自分は海に浸かり死ぬとわかりつつローズをドアの上に乗せて「何があっても諦めるな」と彼女をなんとかして生かそうとするジャックの行動って、頭じゃなくて心で動いているものだと思った。
主演2人の美しさがその愛をより芸術的にしてた。どこを切り取っても芸術的な美しさ儚さ。
2人以外の人間の人生も描かれててよかった。個人的に最後まで楽器を演奏することを選んだ演奏家たちの生き方がかっこよくて、名前も出てこなかったけど物語が"人間"を描いてることを示してた一つな気がした。ボートには乗れないと悟った母親が海に沈む中子どもたちを寝かしつけているシーンや、老夫婦が抱きしめ合いながらベッドで最期を共にするシーン、船長、設計士などなど、たくさんの人間の人生がそこにあり、それが一夜で壊れた無念さとやり場のない悲しさがある。
ローズとジャックの最期も悲しいものだけど、最後にジャックは言葉でローズを救った。自らの手で手を離し、深い海の底に沈みゆく愛する人を見送って生きようとしたローズはどんな思いだったのか……
