九月

ゆとりですがなにか インターナショナルの九月のレビュー・感想・評価

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ドラマ版が好きで、柳楽優弥さんを好きになったきっかけになったドラマだったので、また見られたのが嬉しい。
あのメンバーで、しかも現代の価値観にさらにアップデートされた物語が観られるのかとかなり楽しみにしていた。

序盤から、意外とあんまり笑えないかも…というタイプの笑いが続き、登場人物たちやそれぞれの過去を思い出して懐かしむに留まった前半。
現代の日本での生き辛さがふんだんに詰め込まれ共感するも、盛り込まれすぎて、それぞれの描写がちょっと薄味というか、無理矢理にも感じた。
しかしながら、ドラマシリーズのように肩の力を抜いて、まりぶの企みが明らかになっていく過程や、映画『ハングオーバー』のような展開を、後半は純粋に楽しんだ。

やっぱりまりぶとあかねちゃんが好き。
子育てや家事に追われいっぱいいっぱいなあかねちゃんが、まだ幼い下の子が今どこにいるのか分からなくなってしまった瞬間の焦りとか、いつもは強気な彼女が時折爆発するところとか、気持ちがよく分かった。
社会にいるとよく感じる、あれが自分の親だったら〜、自分の娘があんなことされたら〜、と言うまりぶとチェ・シネの視点も良かった。(そう言われていた人と同世代であろう麻生さんがこの映画の中で一番、時代とともに素敵に年齢を重ねているように思えたし、世代どうこうではなく人それぞれではあるけれど。)

いろいろあるけど生活や人生はつづく。またいつかあの人たちに会えたら嬉しいな、と思う。
九月

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