かなむパパ

落下の解剖学のかなむパパのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.0
自分では、自分のこと結構いいやつだと思ってる。基本やさしいし、目配り気配りは苦手だけど、気遣いは半端ない。人と争うことはないし、だから嫌われることもない。絶対にサイコパスではないし、クレーマーなんて心底あり得ない。
だか…本当か?そう考えること自体、悪魔の本性にフタをしてるだけじゃないのか?考えてみたら、車運転したら人が変わるし(荒い、かっ飛ばす)、台風が近づいてきたら、こいって思ってしまう。身内の心配は半端ないけど、他人のトラブルは興味津々…。
そんな自分の本性がよくわからない…。

この映画の主人公…善人なのだろうか?悪人なのだろうか?無罪…これは正義?
殺人ミステリーかと思いきや、一転して法廷サスペンス。いや、この映画は、人間の本質を解き明かす解剖学なのだ。
そして…結局なところ、結論は出ない。

自分自身でも解き明かされない、人間の本質は謎である…あぁ、もやもやする。