東朴幕院

落下の解剖学の東朴幕院のレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.0
サスペンスとして非常に面白く楽しんで鑑賞できた。夫の山小屋3階のバルコニーからの転落死は、自殺なのか殺人なのか….。次第に判明していく夫婦間の軋轢。これを視覚障害を抱えた息子が目の当たりにしていく様を刻々と描写していく所が最も残酷なものだったと感じるね。
そして作品で時間を割いていた法廷の描写も緊張感あって秀逸だったと思う。
一方でそれだけだと、ありがちなサスペンスではないかと思うが、これは夫へ既に死亡しているが、夫婦間の親権争いのそれであるのではと感じるのと同時に『クレイマー・クレイマー』なのだと納得してしまうのであった。
ハリウッド作品とは一線を画する様に見る角度によっては白にも黒にも見えるグレーを見せつけられる作品。オープニングの不快な音楽の挿入とか凝った演出も光ってるね。
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