パルムドール受賞のミステリードラマ。
自宅の窓から転落死した夫をめぐり、妻と視覚障害を持つ11歳の息子がそれぞれ容疑者と証人として裁判に臨むことになる物語です。
夫婦喧嘩のリアルさとそこで浮かび上がる生々しいすれ違いと衝突は見応えがありましたし、法廷劇として普通に楽しめました。
しかしパルムドール受賞作という触れ込みにもっと凄まじい感情のツイストや歪な親子関係、ショッキングな展開を勝手に期待してハードルを設けてしまったため物足りなく感じてしまいました。
心情描写の丁寧さはとても良かっただけに、息子と世話役の2人視点で、パパは自殺したのかママは殺人犯なのかで揺れる心や、自身の存在が親を悩ませたかもしれない罪悪感にフォーカスしてくれた方が好みだったかもしれません。
