ロールシャッハ

PERFECT DAYSのロールシャッハのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
3.8
カセットテープが平山という人間を語ってくれる

人それぞれの考察に任せるが、
たぶん代々続く一族経営の大企業の元経営者で、日常を感じられず忙しなく生きてきてた。
元々趣味であるフィルムカメラも撮る暇も無く、姪にあげたのを忘れているし、
朝の空が素晴らしいと感じられない程に働いてたのかもしれない。
しかし6年前に自ら退き、しがらみから解放されて、真の自由を味わっている男。
朝起きて空を見て笑っているのが印象的だ。

最後の運転しながら涙を浮かべるシーンが心打たれた。
ニーナ・シモンの曲の歌詞で何となく分かると思う。
「空の彼方を飛ぶ鳥たち、私の気持ちが分かるでしょ
照りつける太陽よ、分かるでしょ
やさしくそよいでくる風よ、分かるでしょ
夜が明けて、新しい一日が始まる、私は私の人生を生きる
最高の気分だわ・・・」

平山のカセットテープコレクション
■アニマルズ「The House of the Rising Sun」(1964年)
■ルー・リード「Pale Blue Eyes」(1965年リリースのアルバム『Words & Music, May 1965』収録)
■オーティス・レディング「(Sittin‘ On)The Dock of the Bay(1968年リリースのアルバム『The Dock of the Bay』収録)
■パティ・スミス「Redondo Beach」(1975年)
■ザ・ローリング・ストーンズ「(Walkin’ Thru The)Sleepy City」(1968年)
■金延幸子「青い魚」(1972年リリースのアルバム『み空』収録)
■ルー・リード「PERFECT DAY」(1972年)
※本作のタイトルの由来となった
■ザ・キンクス「Sunny Afternoon」(1966年)
■浅川マキ「朝日のあたる家(朝日樓)」(1971年リリースのアルバム『MAKI II』収録)。
※アニマルズ「The House of the Rising Sun」を自ら手がけた日本語詩でカバー
■ヴァン・モリソン「Brown Eyed Girl」(1967年)
■ニーナ・シモン「Feeling Good」(1965年)
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