TOHOシネマズ シャンテにて。
心地よい映画体験を得られるので、一人でのんびり観るのが良いかもと思います。
加えて涔々と現代東京を描いた映画という点で、今後も日本の映画界や海外の小津安二郎好きに残る名作になるだろうなと。
ストーリーを語るようなものでは無いので、
素晴らしいライティングと、完成系俳優の役所さん、朧げな夢描写を堪能できる映画ということで、皆さん是非!
個人的には、ジム・ジャームッシュのPATERSONの東京ver.です。
淡々と、という言葉よりは、涔々と。
劇中、常に優しさを感じる造りになっていて、
大きく感情を揺さぶられることもないので、
映画が、ゆったりこちらに響いてきます。
特徴的なのは、1シークエンス毎に挟まれる、眠りから目覚めの朧げな夢描写。
海外レビューで「禅を感じる!」とあるのですが、
たぶん「情緒」「趣」の類かなと。
僕的にはドンピシャで良い!でした!
繰り返される日常は、ほんの少し揺らぎや発見があるもので、そこに対して役所さん演じる平山の年齢や、積み重ね、現在が見え隠れするので、シンプルでいて深みを感じる映画。
ラストシーンが若干OLD BOY味があるけれど、そこまでの積み重ねから、このシーンの受け取り方は人それぞれですね。
変化の激しい制作業に勤しむ中で、こういう積み重ね系映画を観ると、憧れのような、無いものねだりをしてしまうので、将来的には確かに「こんなふうに 生きていけたなら」と思ったり。
これは、見返すだろうなと思い、星5で!