寿司屋で働きながらラップバトルに参加するアントワーヌ（MB14）は、ある日、オペラに出会い魅了される。彼の才能を見込んだオペラ教師マリー（ミシェル・ラロック）の特訓を受けるが、兄や周りの仲間たちとの関係が壊れはじめ、オペラの訓練にも影響が出てしまう。
自分はお金を払ってオペラを観たことがない不届き者だけど、これは楽しかったし、オペラの魅力を多少は理解できた気がする。
ストーリーはありきたりな才能発掘モノ。それでも、えらくテンポが良くて、特に前半は底抜けに明るくて楽しい。刑務所の兄貴のエピソードも笑えた。
終わってみると、愚か者はいても悪人はいないというキャラ設定も好きだったなー。
ラップをバックにオペラの特訓をするという、一見アンマッチな演出が素晴らしかったし、中盤、ロベルト・アラーニャと対面する舞台上での、流れるようなワンカット長回しはかなり効果的で見事！もちろん、プロの歌声は圧巻。
一方で、マリーの人生と心情の深掘りはなく、兄弟喧嘩の中身があまりに幼稚なところが、ちょっと作品を安っぽくしてしまったかな。
ラスト15分はベッタベタ。笑
そんなわけないだろ！とツッコミつつ、気持ち良さ100％のエンディングに大満足だった。うかつにも、爽快感と歌への満足感に泣けてしまった。
