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テノール! 人生はハーモニーのlololoのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

いわゆる成り上がりストーリーの王道を押さえつつ、フランスという国の「愛」と「音楽文化」の奥行きの深さを味わえる映画だった。

王道が故になんとなく飽きがくる場面もあったけど、何もかもさっ引いて、最後のオーディションの場面、最高だった。楽譜をめくったら先生の鼻血が落ちてるの見えた瞬間、号泣してしまった。主人公の周りにいた人たち、会場に駆けつけた仲間たちと同じように、先生もそこにいてくれたような気がして。
だから、歌う弟を見ながら泣いてた兄貴や、涙を流しながら歌い上げた主人公と同じ気持ちで私も泣いてしまった。最後に視線がオペラ座の上に行くのも良かった。先生と最初に主人公がオペラ座に行った時、「天井桟敷が好き、愛好家の席よ」って言ってたのを思い出したから。

私はオンライン試写会だったので自宅の自分好みの音響で見られてラッキーだった。映画館で鑑賞する時はいい音のところで見て欲しい作品。


以下、王道だと思ったところとか好きな要素のメモ

・冴えない普通の毎日
・支配的だが家族思いの兄
・良き理解者の幼馴染(異性)
・ひょんなこと(配達を交代した)から出会った先生に、自分でも気づいてない才能を見出される
・まさかヴィクトル・ユゴーでラップとボイパするとは思わないじゃん先生と主人公が…
・テンプレートのように嫌な感じのボンボン(しかしやがて好敵手になってアドバイスしたり助けたりしてくれる)
・新天地でガールフレンドが出来そうになるけど出来ないし、貧富格差がすごい
・先生の台詞「気楽に生きて才能が開花する?」「残された時間を、愛するアリアを聞いてワインを飲んで窓から外を眺めて過ごすわ」→先生の退場が「ソウルに行く」ということで生徒に伝わる配慮…
・兄貴に裏切り者って言われて周りからも見放される→その時に現れ「最高な状態で勝負したい」って言ってオペラ座の屋根に連れて行ってくれるボンボン(好敵手)。屋根の上の2人のシーンめっちゃ良かったし、ボンボンがラウルで主人公がオペラ座の怪人でクリスティーヌ不在だけどこの2人には友情が芽生えたな…と感じた(もしくは、先生がオペラ座の怪人で主人公がクリスティーヌ、あのボンボンがラウルで友情を育むのかもしれない)
・先生からの美しい手紙、そしてラップ気に入ってくれた
・オーディションにみんなが来て応援してくれる(距離が出来てたみんなと歌でまた繋がる)
・オーディションで見てる楽譜に先生の鼻血が落ちてる、そこから更に歌声が力強くなる
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