ニクガタナ

首のニクガタナのネタバレレビュー・内容・結末

(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

猿でもできる殺し愛 首持ってこーい!
たけしが2011-2012年のトヨタReBORNシリーズCM以来の秀吉AGAINで贈る、みんな知ってる本能寺の変前後の戦国群像劇エンタメ。レビューをいくつか読んでたので予告編のイメージの作品じゃないなと思って観たのが良かったか、結構楽しめた。北野武作品を劇場で観るのは随分久しぶり。独特の編集の間が昔は大好きだったが「ブラザー」あたりでなんか普通に上手くなっちゃったように感じて追いかけるのをやめてたクチ。アホみたいにあっけなく人が死ぬ、現代日本舞台じゃ描けない騙し合い、出し抜きあいと不謹慎な笑い。戦国大名たちの思考、駆け引き、実際こんなもんだったのかもね。と感じるたけしらしい皮肉の利いた描き方。どんだけ金かけたか知らないが合戦シーンが思ったより本格的。だいぶ命かけたであろう残酷描写が活きてる。題名に冠するだけあり首のはねられ方がどれもキレがいい。たけし軍団員は一人もいないが、昔からの北野組俳優が勢揃いしてて嬉しい。あっさり退場させられたなと思ったらしぶとく出番ある津田寛治。寺島進も勝村政信もえらいカッコいい良い役もらってる。岸辺一徳の千利休と小林薫の徳川家康のたぬきぶりが良い。戦場で次々に新人導入される、全く似てない家康の影武者が可笑しい。黒田官兵衛を演じた浅野忠信の有能感が相変わらず良い。呆れ顔が抜群に上手くて惚れ惚れ。有名どころの紅一点がまさかの柴田理恵。荒川良々の登場にウケた。抜け忍の芸人曽呂利を演じたキム兄だけ芝居も存在もだいぶ現代的。宮野真守?と思った森蘭丸は寛一郎。男色ゲイゴト、ハラキリ、ニンジャと外国人受けするものぜんぶぶち込んでやがる。黒人従者も入れてポリコレ対応もバッチリ(嘘)。思惑通り世界的にヒットしてまた新作撮れると良いね。
ニクガタナ

ニクガタナ