そぶ918

首のそぶ918のレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.2
『今の大河、時代劇は綺麗すぎる。本当の本能寺の変はもっと汚い嫌な感じでもあると思う。』

その様な事を完成披露会で述べてた様な気もするんですが、この映画見た後だと、確かにこんな本能寺の変でなぜ明智光秀が裏切り、その後簡単に秀吉がいとも簡単に継いだのかもとスーッと納得してしまった。

ていうか、北野監督はデビュー作からソナチネ、アウトレイジも人間の嫌な部分、騙し騙され、いつ殺されるからわからないのが得意な監督だったので、完全に『本能寺の変版アウトレイジ』でした。あと少しラブストーリーというか、純愛要素もあったかな…

今回の北野監督は今までのバイオレンスな映画の時の役柄と比べて、どうしようもない百姓出の秀吉を演じてますが、これがまた人間臭くていい。

今回はなんと言っても加瀬亮演じる織田信長の狂気が素晴らしかったです。千利休があの人の近くにいたら首がいくつあっても足りませんという台詞がありましたが、本当に頭がおかしくなってる鬼畜の役柄が素晴らしかったと思います。

それと茂助という農家から侍になりたいという役で出ていた中村獅童も最後の最後で彼の存在が際立つところが、よかったです。

あとタイトルの『首』ですが、秀吉と明智光秀の取り扱い方がだいぶ違うところがテーマというかブラックジョークになってるのかなと。

黒澤明監督、または戦国自衛隊など昔の映画で合戦シーンは素晴らしかったが、今回の映画はなんと言っても合戦シーンが素晴らしいと思います。
泥臭くて殺陣もなにもあったもんじゃない生死をかけた戦いは素晴らしかったです。

忍者は寺島進さん桐谷健太さんでめちゃくちゃカッコ良すぎたかな…。


北野映画は2.3回観るとどんどん面白くなっていくので、パンフレット見て、本能寺の変をもうちょっと勉強し直してまた観ようと思います。
そぶ918

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