けいすぃー

ぼくたちの哲学教室のけいすぃーのレビュー・感想・評価

ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)
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素晴らしい学校だ。映画をを通して、子どものころの真っ直ぐな興味、友達と喧嘩したときの自責の念や喉のからさなどを思い出した。

この学校ではただ哲学を教えるだけでなく、哲学から得られるメソドロジーが教育に上手く落とし込まれている。子どもが喧嘩をしたり、何か問題を起こしたときはそれを咎めるのではなく、どうしてやったのか、何が嫌だったのかなど、感情を分解する手助けをしている。さらに、どうすれば良かったか、今後どのようにすれば同じことにならないかという答えは子どもの口から出てくるのを待つ。
しかし、いくら教育に力を入れたとて、そこから先の何十年の間に、子どものときの純粋な好奇心や感情を忘れてしまうこともある。そのため大人への教育も必要だ。この学校では保護者にも子どもとのコミュニケーションの取り方をレクチャーしたり、哲学を用いたエクササイズに大人も巻き込んでいる。さらに校長は職員に対しても、どう考えているか意見をまず聞き、自分の思っていることも素直に伝えていた。

最近僕が個人的に思っていることだが、子どもは思っているほど子どもじゃないし、大人は思っているほど大人じゃない。
子どもには分からないだろう、出来ないだろうと軽視しては彼らの可能性を否定してしまうし。大人だから出来て当然だとか、わざわざ言葉にする必要はないだろうと買い被っても、他者理解を忘れてはいけないし、言葉にしないと相手が何を思っているか分からない。
けいすぃー

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