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ミッシングのayellowbirdのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
3.6
吉田恵輔監督が、石原さとみを主演に迎えてオリジナル脚本で撮りあげたヒューマンドラマ! 幼女失踪事件を軸に、失ってしまった大切なものを取り戻していく人々の姿をリアルかつ繊細に描き出す。
沙織里の娘・美羽が突然いなくなった。懸命な捜索も虚しく3カ月が過ぎ、沙織里は世間の関心が薄れていくことに焦りを感じていた。夫の豊とは事件に対する温度差からケンカが絶えず、唯一取材を続けてくれる地元テレビ局の記者・砂田を頼る日々。そんな中、沙織里が娘の失踪時にアイドルのライブに行っていたことが知られ、ネット上で育児放棄だと誹謗中傷の標的になってしまう。世間の好奇の目にさらされ続けたことで、沙織里の言動は次第に過剰になり、いつしかメディアが求める“悲劇の母”を演じるように。一方、砂田は視聴率獲得を狙う局上層部の意向により、沙織里や彼女の弟・圭吾に対する世間の関心を煽るような取材を命じられてしまう…。

石原さとみの振り切った演技と青木崇高の抑えた演技のコントラストが冴える作品! 娘が行方不明になり、その捜索に躍起になる沙織里。娘が行方不明になった時にライブに行っていたことへの後ろめたさが、沙織里を一層苦しめる。ネットには心ない投稿者の誹謗中傷が溢れ、やり場のない怒りに打ち震える日々が続く。そんな沙織里に精一杯寄り添い、娘がいなくなった悲しさと辛さを圧し殺す豊。それが故にふとした瞬間に、圧し殺していた感情が溢れ出す。解決の糸口を見出せないまま、少しでも失われた日常を取り戻そうともがく二人の姿に、北朝鮮拉致被害者の横田夫妻の姿を重ね合わせていた。
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