大輔

さらば、わが愛/覇王別姫 4Kの大輔のレビュー・感想・評価

4.0
レビュー200本目。

1920年代から文革後まで、時代に翻弄される二人の京劇役者が劇中劇「覇王別姫」になぞらえ京劇から、愛する人から引き剥がされる話。

親に捨てられるところから始まり、国共内戦、日中戦争、中華人民共和国の成立、文化大革命、それぞれの時代で出会いがあったり、裏切りがあったり、堕落したり、波乱万丈過ぎる人生がこれでもかと言うほどに濃密に紡がれていく。

二人の役者に加えて、途中から加わる娼婦の奥さんも含めて、どれほど苦しめば冒頭のシーンに戻ってくれるのか、と何度となく思わされるような悲劇の連続。とりわけ自身が拾って弟子のように育った孤児が役者の道を捨て紅衛兵となって総括する場面はただただ胸糞悪かった。

とても切なく儚く、美しい映画。
レスリー・チャンの気高く妖艶で情熱的な演技は素晴らしかった。

中国ではこの映画はどのように受け止められてるんだろう。

とても素晴らしい映画でした。
大輔

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