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バンクシー 抗うものたちのアート革命のcorouigleのレビュー・感想・評価

4.4
バンクシーは好きか

アートは
絵画は
革命は

バンクシーという覆面のアーティストが
世の中を騒がせていることは
ご承知の通りだが
私は余り追いかけてこなかった

絵を描くことは子供の頃から好きだったがいつからかそうでなくなった
理由は覚えていない

他に好きなことが出来たからか
思うようにうまく描けなくなったからか
周りにもっと上手い人たちがいることに
気づいて嫌になったのか

分からない

でも図工も工作も
美術も好きだった

もしかすると
映画を観ることは
そこに端を発するかもしれない

私の母も映画を好むらしい
彼女も芸術を愛するタイプだ

私とは系統が違うが…
それはまぁいいのだけれど
やはり共通点があるのは感じる

20代の頃までは美術館
美術展に通っていたが今はもうほぼ途絶えた

友人の展覧会に都内へ出かけるくらいだ

絵を見ていると自分と対話している気になる
哲学というか

絵と会話しているのかもしれない

バンクシーの作品は
グラフィティ発信、とあった

街を落書きするそれである

ニューヨーク
ブルックリンや貧しい地帯に生まれ
ヒップホップとして
ダンスやラップとともに
落書き文化も栄えてきた

それは
知らない者からすると異質の
コワイ文化とも思えたが

映画を観ていて感じたのは
ただのギャングのそれではないと

そういうものもあったかもしれないが
自己表現なのだと

文字を通して
絵を通して
社会への自分の思いをストレートに
ぶつける

確かに美術館は堅苦しい
高いし萎縮してしまう

私はパンクやロックや
1990’sのブリティッシュヒッツに
感銘を受けた人間ではあるので
(OASIS,EwanMCGREGORなど)

あるいはマッシブアタックにも
一時期触れたので
バンクシーの話は繋がるんだな、と思えた

あるいはバスキアなどでも

その反骨精神
欺瞞溢れる社会への反逆
革命精神は多少理解できた

私はもう環境保護の熱血に
そこまで浮かれていないし
もう音楽的にも
パンクやロックで
そんなにゴリゴリしていない
(ゴリゴリって…なに笑)

革命精神はどこかへやってしまった

つまり、世界に迷惑をかける
グレタちゃんと違って、
もう「こっち側の人間」になってしまった、という自覚がある

つまり、革命される側、
体制側に半分足を突っ込んでいる

バンクシーとは何かについて学ぶには
私にとってはうってつけだった

アートは堅苦しい

その辺で無料で
壁に転がるストリートアートなら
気軽に楽しめる

日本ではそこまで浸透しないだろうが
階級社会イギリスでは
労働階級の鬱憤もあってか
バンクシーが生まれる
それだけの軋轢
下の層の苦しさがあるのだろうとも
感じる
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