烏龍譚家多江蔵

About My Father(原題)の烏龍譚家多江蔵のレビュー・感想・評価

About My Father(原題)(2023年製作の映画)
3.4
イタリア系移民の親子を軸に、移民家族の貧富の差や生活の違いをシニカルに描いたコメディ映画。

労働者階級に育ち、自分とは正反対のアーティスティックな彼女との念願のプロポーズを計画するも、頑固な父親を納得させられず、挙句彼女の両親の家に一緒に行くことになる。
一風変わったセレブ一家とのやり取り、ロバートデニール演じる頑固な父親とのやり取りと、デコボコすぎる登場人物の会話に笑いが止まらない。

セリフのギャグも決して古いものばかりではなく、最近の映画ネタなども満載でいやらしくなく、楽しい。
しかし後半デコボコだった登場人物たちそれぞれが影響し合って、違いを認め合って変わっていく様も心地が良く、それでいてラストにしっかり家族愛が描かれる王道展開にも大満足。

「家族は大切なだけじゃない。全てだ。」
他人だけじゃなく、親子にも違いがあって当たり前で、それを認め合うことが本当の家族なんだなと、深く心にしみた。