どど丼

Brother(原題)のどど丼のレビュー・感想・評価

Brother(原題)(2022年製作の映画)
3.9
貧困家庭で育ったジャマイカ系カナダ人の兄弟とその母親との関係性を描くドラマ映画。

類似の題材の作品が多い中、物語自体は平凡だ。一方、兄の死の真相を3〜4個の時系列を交錯させて見せていく構成は求心力が高く、その中で様々な問題提起を行っていく構成は非常に優等生的。BLMが活発して以降のここ数年、凝った演出をする黒人or貧困映画が沢山出てきたが、これくらい日常に根差した王道でも感情移入しやすくて良い。「貧困」観点で見ると、日本人としても共感出来るところは随所にあったな。

ただ「アメリカン・フィクション」という黒人社会派映画への疑問提起映画が出てきた今、本作のような作品を非当事者の自分が素で受け入れてしまって良いのだろうか……という複雑な感情もまた生まれてしまった。最近の映画鑑賞に対するスタンス、難しい。。
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