のんchan

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間ののんchanのレビュー・感想・評価

5.0
どうか1人でも多くの方が観るべきです🙏

2024アカデミー賞、長編ドキュメンタリー賞受賞🏆
その壇上で監督は以下を言葉にした(↓一部抜粋)
『....この映画が作られなければ良かった。などと言う最初の監督になるだろう...このオスカー像を、ロシアがウクライナを攻撃しない、私たちの街を占領しない姿と交換出来ればと願っています....』(2024.3.10)

オスカーなんて要らないんです。
ただ、世界中がウクライナに目を向けて欲しいのです。


2022年2月24日未明にロシア軍がウクライナに侵攻し戦争が始まった。(平和ボケな日本人は2年が過ぎて忘れかけていませんか?)

この作品は、AP通信取材班がその日から20日間、侵攻されたウクライナ東部の都市マリウポリで命懸けで撮影し続け発信した。その奇跡の記録の集大成となっている。


一番安全だろう病院の目の前にZ印のロシア軍戦車がバスを薙ぎ倒して動いてくる。
市民に向けて爆撃している。
家を壊され、食べるものもない、電気も、ガスも、水道も何もかも止まってしまう窮状。
市民は口々にプーチンを"あのクソ野郎"と吐き捨てているけれど、丸腰で力のない一般市民なんです、女子供は泣くばかり。
爆撃により、サッカーをしていて両脚が吹き飛ばされた16歳の少年。頭から血を出している4歳の女の子。妊婦とお腹の子...必死の救急処置も虚しく亡くなりました。
次から次に運ばれてくる重症者たち。寝る間もない医療従事者たちには頭が下がる。
医師は"カメラに映し出して世界に見せろ”と言っている。
ある医師から地下室の物置きに連れて行かれると、そこには死体が並んでいる。赤ちゃんも包まれている。
死体は市の職員たちが別の場所に溝を掘った土の中に重ねられて投げ込まれていく(アウシュヴィッツを思い出した)

取材班は何日か病院で過ごしたが、電波が入らないので通信出来ない。致し方なく、マリウポリの惨状を全世界に伝える使命感で、病院を、市民を後にして脱出を試みた。
その後マリウポリは全滅し、25000人と言われているがそれ以上の市民が亡くなった。


『もしトラ』になったら...
怖いなんてもんじゃない。プーチンが大喜びする画も浮かんでしまう。
心から思う、プー◯ン死んでくれ。


劇場は満員でした。
最初から最後まで、言葉に出来ない悲惨な映像がずっと続きます。作られた映画じゃないリアル。
目を覆いたくなるし、心引き裂かれます。
鼻を啜るのに気が咎めました。
しかし、観る意味があるのです。
のんchan

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