キッチャン

未成年のキッチャンのレビュー・感想・評価

未成年(1955年製作の映画)
4.0
一人息子が母の期待の大きさに苦痛を感じ、次第に身をもちくずし、一度は立直ろうとするが遂に悪の仲間の為に殺されてしまう悲劇。「三つの顔」の井上梅次が脚本と監督をかね、間宮義雄が撮影を担当する。主なる出演者は、新人長門裕之、「綱渡り見世物侍」の清川虹子、「銀座二十四帖」の安部徹、「美女と怪龍」の日高澄子、「沙羅の花の峠」の芦川いづみ、「月夜の傘」の伊藤雄之助など。

ストーリー
※結末の記載を含むものもあります。

父なきあと、母は横浜の鉄工所に働く一人息子啓一の出世だけを心の支えにしているが、啓一には母の期待が重荷だった。正義感の強い啓一はある夜、与太者ワンツーの健と争い、あやまってノミで刺すが、親分株の五郎は啓一の度胸に惚れ込み、情婦ミッチイのいるキャバレー・ギルダに案内した。出世の道を五郎たちの世界に求めて、啓一は母の忠言もきかず、家を飛び出した。自分の意志一つで堕落しないですむと信じている啓一は、健の後釜に坐って巾をきかすようになり、健の情婦マッチンも今では彼に身をまかせた。だが、ある日、靴磨きの三太少年の姉で花売り娘の京子から不良と呼ばれ、さらに健の姉芳子には足を洗うように諭され、彼は初めて苦悩するのだった。やがて、五郎がヒロポン仲買の嫌疑であげられると、浜万組のボス、万は五郎の仕事まで啓一に任せ、ミッチイとも関係を結ぶが、これが後に彼の破滅のもとになった。仲間のスモークに現場を見られてしまったのである。月の美しい夜、ダルマ船の上で仲直りした京子と親しく語り合う啓一の胸には、母との生活がなつかしく思い出されてくるのだった。足を洗おうと決意した日、ミッチイとの件を知った五郎は、啓一を縄張り荒しのセムシのダムと対決させた。危く助かったものの、ミッチイもマッチンも落ち目の彼を相手にしなかった。悪事の発覚を恐れるボスと五郎の差し金を受けたダムは、啓一を襲った。瀕死の啓一は、路地裏で母の手に抱かれて死んだ。

キャスト
長門裕之
長門裕之
野村啓一


清川虹子
清川虹子
母かね


安部徹
安部徹
五郎ちゃん


日高澄子
日高澄子
美智子(ミッチィ)


東谷暎子
東谷暎子
待子(マッチン)


芦川いづみ
芦川いづみ
京子


香川良久
香川良久
弟三太


山岡久乃
山岡久乃
母たま


伊藤雄之助
伊藤雄之助
戸塚刑事


杉幸彦
杉幸彦
松田茂


佐野浅夫
佐野浅夫
ワンツーの健


広岡三栄子
広岡三栄子
姉芳子


市村俊幸
市村俊幸
浜万


長谷部健
長谷部健
ノートルダム


加藤春哉
加藤春哉
赤毛


土方弘
土方弘
スモーク


光沢でんすけ
光沢でんすけ
デンスケ


水野裕次
水野裕次
アタピン


相原巨典
相原巨典
プー公


小林重四郎
小林重四郎
焼鳥屋の親父


山田禪二
山田禪二
少年係の課長


スタッフ
監督、脚本

井上梅次

製作

坂上静翁

撮影

間宮義雄

音楽

大森盛太郎

美術

中村公彦

照明

大西美津男

録音

古山恒夫

作品データ
原題
The Juvenile
製作年
1955年
製作国
日本
配給
日活
上映時間
106分
製作会社
日活

以上movei walkerから引用

https://www.nikkatsu.com/movie/20062.html

https://nihoneiga1920-1960.hatenablog.com/entry/2023/06/09/131739