つぐみ

コット、はじまりの夏のつぐみのレビュー・感想・評価

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)
4.1
時代感が全然分からなかったけど80年代なのか。私が生まれて間もない頃のお話だけど、この時代はこういうことたくさんあったのかもな〜簡潔にいうとネグレクトされて、体良く里子に出されてひと夏を過ごす身も蓋もない話。だけどとても優しくて丁寧で繊細で温かかった。

よく子を死なせてしまった事件がニュースになると「子どもが子どもを産むからこういうことになる」みたいなコメントがヤフコメ(言論の極北)に溢れかえるけど、別に大人だから子どもを持つ資格があるわけじゃなく、誰だって親初心者なんだから未熟でもあるし至らないところはあるって思うですよね。あと「子どもを産む自信がない」とか言うのも逆で、自信があるから産むわけじゃなくて、産んだから育てるだけなの。私の体感だけで言っていますが。

なのでコットの親は最悪だし、何だったら彼女が捨てる権利がある。ラストのオープンエンドはどうか彼女がアイリンとショーンの元でめでたしめでたしになってほしい。自分を大事にしない人間とそばにいないほうがいい、親のことだって見限る権利が子どもにもあるんだよ。未成年のうちは圧倒的に子どもの方が不利だけどさ!

無愛想だったショーンと次第に打ち解けていくの(割とギアの入り方急でしたな)赤毛のアンとマシュウみたいだった。アイリンに何度もブラッシングしてもらって、バスタブで体を洗ってもらって、町で可愛い洋服を買ってもらって、コットと2人がまた一緒に暮らせることを願わずにいられない。
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