タクマ

コット、はじまりの夏のタクマのレビュー・感想・評価

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)
4.2
見たで。
暖かく尊く美しい。沈黙という手段で自分を守る少女が親戚夫婦から一夏の愛を受け強く成長する話。大人が子供にかける愛情はこれで良いというお手本と共に子供にとって不器用でも愛を与えてくれて個性を肯定してあげれる大人がいかに大切なのかを感じた。愛、優しさ、人生、様々な感情がこちらを包むラストに涙。傑作。
体調が落ち着きコロナ隔離も終わり今週いっぱいは休みになったので気になる本作を見てきました。子供が色んな経験を経て成長する系の映画は自分の大好きなジャンルなんですが本作もやっぱりめちゃくちゃ好きな奴でした。
ショーンがコットに取る態度は確かにぶっきらぼうなんだけど何故か好きだな~って思っちゃうのはそこに確かな愛を感じるから。見てて俺の父親も俺が子供の時はめちゃくちゃ無口で子供に対する愛情の示しかたってお金かジュースしかないって人だったから正直嫌やなって思う時もあったんやけどショーンのコットに対する接し方を見ていてあの時の父は父なりにめちゃくちゃ頑張ってたんやろうなあって思い少し切なくなりました。
映画と言うジャンルの面白おかしい所は映画を見続けてたらこれは自分の映画人生で凄く大切で影響を受けたという映画に出会う瞬間があるという所にありますが本作はこれから家族がいない子供に関わる仕事をする自分には凄く貴重で大切な映像体験になりました。「窓ぎわのトットちゃん」と共に大人が子供に対してやってあげられる事、与えてあげれる事を考えさせられる映画として胸に刻んでいきたい作品。
舞台になるアイルランドの季節感の綺麗さも印象的で見終わって劇場を出た後はあの空間を想像してぐっと息を吸ってみたくなった。
タクマ

タクマ