【人生は選択の連続】
ジャンル：墓穴を掘る毒親
今から振り返れば、両親には感謝していますが、子供の頃は不平不満を胸の内に秘めていたものです。本作では、そういった誰しも多かれ少なかれ感じたことがあるような幼心の憤りを拡張し、嫌悪感を抱くような家庭環境から展開させていきます。
性格と家庭環境の不一致によって、息苦しさを感じていた少女。姉たちは相応の気丈さを携えており、それなりに生きていく術を知っているように思えますが、主人公コットは抑圧され、自分のことを語る言葉さえも知らないように見えます。
夏休みに預けられた知人の家。そこには長所に目をやり、包み込んでくれるような母の姿と、取っつきにくいぶっきらぼうだけど、心根は優しい父の姿がありました。
少しずつ呼吸の仕方を覚えていく、息をつく間に過ぎていった夏のひととき。あるときに呼吸ができなくなったのは、ずぶ濡れになってしまったのは、こんな気持ちになったのは何の所為か。駆けていく、抱きしめる、ここでなら呼吸ができる。生きていくことは難しい、だから幸あれ。
