このレビューはネタバレを含みます
イスラーム映画祭2本目
意外とすごく評価が高くてびっくり
なんだかんだでストーリーと可愛い少年の演技には泣かされてしまうところもありました
ご両親がとても良い人柄でしたし、何よりカシミールってこんな綺麗なところなのかというほどの美しい場所で映像にうっとりとしました
ただ1つ気になってしまうとどんどん気になってしまうところが連鎖的に出てきて。
発想は面白いと思ったのでもう少しうまくできたんじゃないかなと思いました
矛盾や映画をエンタメ性、感動のために都合よく演出されている感というのかな、私が文化を理解できないだけかもしれないのであくまで個人の意見です
まず7歳という少年の設定
よく考えて行動して賢いなと思う部分もあったけど、物語のために都合よく動かされている感じがしました
この少年ってもともと全然アッラーのこと知らないですよね
デーツとピーナッツ？を渡されてデーツではなくピーナッツを選ぶあのシーンでは
完全なムスリムではないことを示しているし（デーツはスリムにとって神聖？で意味がある食べ物）
子供だけどお父さんの日記に、アッラーは美しくて賢くてみたいなことが書いてあり、友達に父がアッラーの元に行ったからと言われたから、それだけの理由でアッラーのことをよくわからないけど信じたっていう感じですよね
だからアッラーが実在しないのも知らなかったのかなあと思って見ていました
けれど、電話でずっとアッラーだと思っていた人物は、敵の兵士であることを知り、彼は確かにショックを受けていました
混乱や怒りで、父から禁止されていた石を投げつける行為をして森に逃げたまではまぁよかったんですけど
先の行動が？？？でした
アッラー！なぜこんな仕打ちを？みたいに叫んでいたのですけど、あれあなたいつの間にアッラーを信じていたの？そこアッラーに泣き縋るの？怒りの矛先はアッラーなの？と不自然でした
なのであの空に向かって泣き叫ぶシーンが理解できなくて、しらけてしまいました。
子役の子の演技もそれまでは良かったのに、泣きもわざとらしく感じてしまいました
敵に騙されていた怒りや、父親が死んでしまったことの怒りや悲しみをあの歳の少年がぶつけることを考えるとなんかリアルさに欠けました
そして7歳という設定にしては幼くないかなあ
日本の7歳と比べるから行けないのもあるでしょうけど
小学校低学年とはいえ、賢さも見せつつも死の概念を知らない、アッラーの元にいるという考えを理解できず友達に言われただけで信じてしまうというのも、幼いかなと思いましたし、他にも行方不明者はいるはずなので何も耳に入っていないとしたら不自然だと思いました
電話番号が10桁というのを知らないのは普段彼が電話しないから知らないのでしょうかね、アッラーの番号と言われてもなぜ神聖な番号なのかもそう言われている番号なのかも知らないから電話番号だと思ってしまったという事なのでしょうか、、
少年の中で電話口のアッラーは偽物で別でアッラーはいて、ペンキを送ってくれてありがとう！って感じなのでしょうかね、はて
上映前解説のメモ以下
舞台はインド北部のカシミール(避暑地)
1947年に独立
インドとパキスタンは3度戦争を交えている
インド領のカシミールを舞台にしており、7割はムスリム
2018年に制作
自治州であった最後の頃の話
安宅直子さんのトークショー以下
ラダック、カシミール、ジャンムーは別々の文化
カシミールはイスラームが多いが、ジャンムーはヒンドゥーの方が多い
カシミールのスリナガルが舞台
カシミールはインドと同胞という意識は全くない
劇中にもインドへ帰れという道に書く男性が出てきた
カシミールはインドの中のもう一つの国という認識
カシミールのヒンドゥー教は1990年にカシミールから姿を消した
パキスタンに帰属したい人は少なかったのではないかと言われている
パキスタンへの併合や独立を求める武装派の過激派→ミリタントを経験した人はとても多かった
次世代のテロリストを育てようと子供も巻き込んでいる描写があった
カシミーリー語で映画制作されるには至っておらず大多数がヒンドゥー語映画
カシミールは情景が美しいため映画にフィットする
ムンバイの汚い下町でも2人が恋に落ちたりしたときにワープする綺麗な映像はカシミールでの撮影のことがある
カシミールで撮影できない不安定な時代はスイスにワープした
ヨーロッパではインド系の人種がいないが、ロケ地として使われ、招致するパンフレットも出た
戦争系の映画はインドは政府による検閲がある
地域の独立を促す分離主義的な思想を宣伝するものになっていないか、テロリストを産む思想ではないか重視される
キスシーンやラブシーンもだが上記のようなことが1番チェックされる
