千年女優

マエストロ:その音楽と愛との千年女優のレビュー・感想・評価

3.5
1943年に病床に伏したブルーノ・ワルターに代わってニューヨーク・フルハーモニー交響楽団を指揮して注目を浴びたユダヤ系アメリカ人の音楽家で、熱愛の末にフェリシアと結ばれたレナード・バーンスタイン。その後も音楽家として目覚ましい活躍を遂げる一方で同性愛を始めとする奔放さが妻を苦しめていく様を描いた音楽伝記映画です。

代表作『ウエスト・サイド物語』や米国生まれ初のニューヨーク・フルハーモニー交響楽団音楽監督就任で知られる人物を描いたNetflix作品で、企画段階ではスコセッシやスピルバーグが監督候補に挙がるも各々に別の大作制作に専念にしたことから二人は製作に移り、最終的にはブラッドリー・クーパーが監督兼主演を務めて好評を得ました。

前監督作『アリー/スター誕生』のノウハウを活かしたミュージカルを始めとする音楽演出に加え、モノクロとカラーそれに画角比を使い分けながら偉人とそれに翻弄される妻の物語を通して「天才」を問います。説明的に掘り下げるではなくムードを重視する作風は一長一短ですが、クーパーと妻役キャリー・マリガンが風格を漂わす一作です。
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