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原点のkitoのレビュー・感想・評価

原点(2016年製作の映画)
3.3
ハードボイルドな雰囲気で、なかなか面白かった。

昨秋からときどき観ているハンガリー映画も本作で6本目になった。脚本もカメラワークもしっかりしていて、人口1千万のハンガリーにおける映画制作レベルの高さが窺える。

しかし、スコアは激低で、レビューは判で押したように ”ワケワカメ” がずらっと並んでいる。そうややこしい話ではないと思うのだけど。ただ、タイトルはハンガリー語、英語とも「井戸」という意味で、「原点」は意訳にしてもよくわからない。

確かに比喩や暗喩、いろいろ含みのありそうなエピソードが盛り込まれているので、”すべての出来事の意味を知りたい病”だとイライラするだろうなあ。雰囲気が少し北野武監督作品に似ている気がする。北野作品は欧州の方が評価が高く、この手の内容が好まれるのだろう。

裏寂れた田舎のガソリンスタンドが舞台のソリッドシチュエーションで、半ば過ぎまでの1時間はいろいろ不穏な感じで、これからいったい何が始まろうとしているのか期待が膨らむ。

ガソリンスタンドの親子と従業員、そして定期的に休憩に立ち寄る組織売春で働くお姉さま方と粗暴な用心棒たちの間でドラマが繰り広げられる。”カマキリ”と呼ばれるシュッとした無口でハンサムな息子とひとりの売春婦に恋が芽生え…

ラスト、犬の登場が泣ける。
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