全然期待してなかったけど思いのほか良かった。
前作は不快になるレベルの雑な人間パートと、ゴジラとコングの対決を見に来たのに両者共通の敵が…っていう安易な展開に辟易しあまり好きになれなかったのだが、本作はそのどちらもなく安心して鑑賞できた。
本作、コングと心を通わせる少女を除いて人間はほぼ状況説明のためだけに出てくるので、あくまでドラマの主体はコング笑。当然セリフを発せないので、必然的に物語をジェスチャーで語れるレベルにまで落とすしかないっていうのが可笑しい。結果出来上がったのは、なんだか田舎のヤンキーの小競り合いを見ているかのような脳筋バカ丸出しの内容で、鑑賞中、自分の偏差値がマイナス50ぐらいにまで急落しているかのような感覚に陥る。
その「怪獣ドラマ」だが、これがなかなか丁寧につくられているのが好感が持てる。新キャラのスカーキングも結構キャラが立っていて、卑劣な感じがよく伝わってくる(登場時のあの立ち方にイラっとした笑)。最後はちゃんとカタルシスもあって、脳筋な内容とはいえ王道をしっかり踏襲した演出がなされている。
後半はモロ『三大怪獣 地球最大の決戦』だし、『海底軍艦』のアレみたいなのが出てきたりと、昭和特撮好きとしては思わずニヤリとしてしまった。
相変わらず大味でご都合主義な展開の嵐で、一年後には見たことをすっかり忘れていそうだが、こういうエンタメに振り切った怪獣映画も時には必要だろう。