銀色のファクシミリ

聖なる復讐者の銀色のファクシミリのレビュー・感想・評価

聖なる復讐者(2022年製作の映画)
3.8
『#聖なる復讐者』(2023/韓)
劇場にて。原作未読。弟を殺された兄が復讐者となり、犯人達を追い少年院に入所する。序盤から双方ともにアクセルベタ踏みの暴力の応酬劇、矯正施設とは名ばかりの俗欲と差別にまみれた世界。人間なんてこんなものだろと描き続ける130分。

この映画の特長は、復讐者の覚悟が犯人側にすでに筒抜けで、一触即発の状況から始まるところ。そんな四面楚歌にも臆さず、主人公を破滅的に突き動かす心情と、殺人の実行犯を探す中で明らかになる事件の真相が重なった時、孤独な復讐者の胸に去来するものはなにか。

元々のタイトルが「クリスマスキャロル」なのは、作品を最後まで観ると納得。でもそのまま邦題にするとピンとこない。そこで邦題を「聖なる復讐者」と変更したのは、最初からピンとくるし作品を最後まで観ると納得できる、良き改題でした。感想オシマイ。