みなりんすきー

君たちはどう生きるかのみなりんすきーのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.3
『全部幻さ この世界は死んだやつの方が多いんだ』

『君ならこの世界を 穏やかなものにできる』

『あんたマヌケだね インコたちにシチューにされちゃうよ』



🧸‪ 感想 🤎

予告編も何も一切公式から情報が出されず
いったいどんな映画なのかと世間が沸き立ったジブリ最新作。
かくいう私も一応ジブリ映画はほぼ全作観てきて好きなジャンルではあるのですが
所謂、宮崎駿を崇拝するみたいなガチファンではなく、かなりミーハーなジブリ好きってくらいのレベルです。

なぜわざわざこんなことを前述したかというと、
極端にいうと「あ〜〜駿のやりたいことが全部詰まった素晴らしい映画だ!!」みたいな”駿らしさ”その真髄みたいなものは残念ながら享受できないからです。そしてやはり今作はそういう要素が結構強かったように思えるのです。私のようなミーハーはやっぱりちょっと置いていかれちゃう。もっとジブリを、宮崎駿を分かっていれば違ったんでしょうなと。さすがにそう思わずにはいられない内容でしたね。。。( ; ˘-ω-)

映像表現は相変わらず最高。ジブリの淡く丁寧な絵本ようなタッチが大好きです。
というか今作はパワーアップすら感じられた。序盤の人混みを駆け抜けるシーンとか鳥肌ものだった。ここだけでなく全編において本当にいろんなこだわりが感じられる表現が散りばめられていて、視覚的に常に楽しく、大満足でした。

話は本当に今までのジブリ史上ダントツで分かりにくかった。話が分からないというか何が言いたいのか結局ちゃんと噛み砕けなかった。
ただ、普段だったら自称映画オタクとしてはストーリーに置いていかれると自分の理解力が乏しかったのだと悔しくなるけれど、今作はその気持ちにはあまりならなかったな。なんかもう途中から「そういう作品なんだろうな」と諦めて観てたからだと思う。笑
凄いのが、確実に置いてかれ気味であるのにも関わらず、ちゃんと最後まで楽しかったっていう点なんですよね。それはやっぱり、ジブリの持っている底力というか、最大の魅力、いやもはや魔力にも近い域にあると思う。映像を見ているだけで、”楽しい映画体験をしている”と実感できるんですよね。上映時間は2時間20分とアニメーションの中では長尺の方に思いますが、全くそれを感じさせなかった。なんなら、置いてかれているのにもっとあの世界に浸っていたかったという気持ちまである。これがジブリパワーか……

あとやっぱり、ジブリ好きとしてこれまでのいろんな作品のオマージュというか、連想させる描写や表現がかなり多かったので、それが楽しかったしなんだか嬉しかったです。大好きな作品たちの要素がたくさん散りばめられていて。見ていてワクワクしたなぁ。

でもやっぱり話はあんまり入ってこなかったです。「君たちはどう生きるか」……このタイトルの真意すら測りかねています。なんなら真人の頭の右側は後半あんなにハゲていたっけ?という事の方が気になってた。

このあと色々解説考察なんかをチラ見してみようかなとは思いますが、そこで初めて理解できてもそれは自分の感想ではないからなぁ。まだまだ自分の映画力は未熟だったんだろうか。でもまたジブリが出たらきっと観にいきます。