タカ

君たちはどう生きるかのタカのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
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「その人は母さんにそっくりだった」

"ファンタジーが嫌いなのかもしれない"
小学校低学年の頃に『ハリー・ポッターと賢者の石』を読み、そこからその世界観にハマり
『ダレン・シャン』シリーズ、『バーティミアス』を読んで読書を通してそれなりにファンタジージャンルに触れていた少年時代の頃から
どちらかというと好きなジャンルなのに
宮崎駿監督作品の鑑賞後は決まって自分の嗜好がどうだったかと思い返してしまう

リアリズムと反対方向のファンタジーを表層としながら、そのくせ本質的に語りたいことは日常生活に根差した思想、メッセージ
どうにも収まりの悪い気持ちになる
劇場鑑賞した初めてのジブリ作品『千と千尋の神隠し』からずっとそう
"あ〜面白かった"という気持ちより常に"何を言いたいんだろう?"の方へ思考が支配される
結局、宮崎作品を純粋に楽しめたことがない
両手に収まる程度しかジブリ作品を観たことない奴がこんな感想を持っても仕方のないかもしれないが、今作も例に漏れずという感じだった…

特に今作に関しては本質がぼかされまくって、何を言いたいのか真剣に分からない
別に"分からない"から"面白くない"と言いたいわけじゃなくて
そもそも魅力を感じ得ないから考えを巡らせる気になれないというのが本音のところ
ストーリーに興味をそそられる点が個人的には全然無かった
活劇部分もおざなりにされているようにしか思えない
映画は分かりやすいエンタメじゃダメなんですか?
考察前提の高尚な芸術なんですか?
もう分からない

スタジオジブリの積み木の塔は宮崎駿という看板を失ってもバランスを保ち続けるのだろうか
それともこの作品で閉じてしまうのだろうか
どう生きていくのだろう
タカ

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