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コカイン・ベアのhorahukiのレビュー・感想・評価

コカイン・ベア(2023年製作の映画)
3.2
記録です。

コカインでラリったクマが森の中で暴れ回るコメディホラー。割合的には9割がたコメディ😂恐らくコメディを主軸に構成が練られており、コント的に設定された個別作為的なシーンごとにコメディを加速・停滞防止のタイミングでラリったクマを投入している印象。ラリってるが故に襲うのか襲わないのかを含めて何をするのか予測不可能なクマに人間側が逆に戸惑って笑いとグロが生まれている感じ。そのため、クマが作り手のために存在する装置としての性質に傾き過ぎているように思った。『ジュラシックパーク』引用(特にラプトル関連)がところどころにあるけれど、同じラプトルでもブルーを見ているような統制が徹底されている感覚と違和感。動物の持つ制御不可能性を更に上乗せすることにコカイン設定を使っているというより、製作側都合に合わせたロボットとして動かすため・獣性を剥奪するための免罪符として利用しているように見える。それが本作の魅力で、それ故にコメディに振り切れていて面白いのだけど、わたし的にはその辺りがちょっと苦手で、前半はすんごく楽しかったんだけど、だんだんと心が離れていってしまった。でも笑いのセンスと死が起こる際の誤魔化しのなさ(あんまり直接的には映さないけど…)とのバランスは凄く好き。レイリオッタの遺作らしい。
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