これはもう名作の領域。
冒頭の地下鉄車内に立ち込める人間不信の香りやプツンと音を立てて切れたら何かが起きてしまいそうな緊張感から、何もかもがとてもリアル。
そこに乗車してきたホームレス風の男性。彼のあげる奇声に近い罵詈雑言に隣の人はすぐさま席を立ち、身の危険を感じた周りの乗客たちの間には緊張感が走る。そこでタイミング悪く電車が止まってしまい、マジかよ、今かよ…という空気が電車内に流れる中、1人の女性がその男性に声をかけ始める…
そんな感じで始まる本作、13分弱の短編でSAMANSAでしか見れないのですが、これはぜひ無料体験の期間中にでも観てほしい!SAMANSAの回し者ではありません笑。
私もたまたま無料体験期間中なのですが、見どころの多い作品が多いので、これはシンプルにおすすめしたい。
この作品は、個人的には、ものすごく切ない作品なんです。人が壊れてしまうのには理由があって、人には歴史があって。それをこの13分の中で見せていくお芝居のリアリティが素晴らしい。
優しさは強さから生まれる。
そう思える作品です。
観てる人が少ないのが心底残念なくらい良いショートフィルムなので、レビューを読んだ方にはぜひ観てほしいな〜。
エンドロール前に流れる「すべてのマリアに捧げる」にも涙がほろり。