あーにゃん

怪物のあーにゃんのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.8
推し
◎より
◎みなと

是枝監督×坂元脚本×坂本音楽
期待せざるを得ない布陣で
今日本が生み出せる映画の
最高打点をガツンと叩いて頂きました‥。

本当に素晴らしい。ありがとうございます。


▼子役の演技力
日本の子役で久しぶりにクリーンヒット、
あまりにも自然で最適なW主役。
すくすく育ってくれることを祈る。


▼物語の構成
誰もが怪物探しゲームをしながら見ていた一幕、二幕。三幕が始まって少し経つと、あれ?話変わった?というくらい話が綺麗に転換していく。

(一/ニ幕:大人たち)
物語としては一本軸があり、その周りを渦巻く人間たちの色んな面を映し出す

一人一人に怪物になり得る要素がある
=誰しも人への印象は一方的で、それまでの経験から断片的なイメージを頭の中で構成して決めてしまう

(三幕:子供たち)
断片的な世界とは相反した、子供たちの真実の世界
あまりにも綺麗、
多分モスキート音もなかった


ここらへんの丁寧で重厚な構成力。。
たまらんが過ぎました。






-----------↓以降軽いネタバレ有↓-----------






▼坂元脚本
節々の台詞に意味があることが絶対な分
最新の注意を払って見てたつもりだけど
一回では消化しきれてないんだろうなぁ、、

開始数分で聞こえた母親の台詞「白線超えたら地獄だよ」が、凄く印象に残った。

最初は、序盤から台詞遊びのレベル高〜て思ってたけども、

・母親が思う正しい人間/幸せになってほしい という気持ち
・車から転がり落ちたこと
・秘密基地が空電車だったこと

ここらへんが後々に効いてきた。

他にも、
●「誰かしかなれないものは幸せじゃない、誰でもなれるものが幸せなの」→パフ〜→(涙)
●ラスト二人の会話と景色

等、台詞と映像・音がコラボレーションすることで
より魅力度が増す最高に芸術的な作品‥。


大人が嵐の中必死に子供を探す中で、

子供は自分たちの生きる道を見つけていく

その先に真っ暗なトンネルが待ち受けてることは置いておいて、気持ち高らかに綺麗な山中を駆けていく、その時間に幸せを感じた。


お疲れ様でした。