やむちゃ

ゴジラ-1.0のやむちゃのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

備忘録
2023.12.9 TOHOシネマズなんばの轟音シアターで鑑賞。

監督は山﨑貴、神木隆之介主演作品。

第二次世界大戦終戦後、ようやく復興しつつあった東京にゴジラが現れ、甚大な被害をもたらす。かつて特攻から逃げ、さらには大戸島で被曝前のゴジラを目撃するも攻撃せず(できず)に整備兵を見殺しにしてしまい自責の念に苛まれている特攻崩れの主人公敷島(神木隆之介)が周りの人たちと協力しながら、ゴジラに立ち向かうお話。

ワーナーのモンスターバースは全作鑑賞済み(キングコング髑髏島の巨神のみBlu-ray、他は劇場で観た)だが、東宝製ゴジラを劇場で観るのは、シン・ゴジラ以来2回目。昭和のシリーズは子供の頃テレビで何作か見ている。

いやぁ面白かった。
シン・ゴジラとは全く違ったベクトル、かと言ってかつてのシリーズとも違う。
どちらかと言うと原点回帰した上で、最新のVFXで正統進化した感じか。

VFXの完成度は大変高い。この辺はさすが山﨑監督。
CGが悪目立ちすることもなく、作品にうまく溶け込んでいる。
またCGだけでなく、従来の着ぐるみ&ミニチュアの特撮も効果的に使われている。
ずっと特撮ではどうしても子供っぽくなるが、CGの中にうまく取り入れることで、迫力ある映像に仕上がっていた。
一つだけ残念だったのは、最後のゴジラの口に…のシーン。せっかく盛り上がる所なので、できれば色々なアングルから何度か繰り返して観せた上で爆発させて欲しかった(かつてジャッキー・チェンが命懸けのスタントシーンで使っていた手法)。その方が効果的だったと思うんだけどなぁ。

ドラマ部分もしっかりしている。
敷島をはじめ自身の戦争が終わっていない人たちの苦悩、戦争で家族を失った人の悲しみなどが描かれ、それをちゃんとお芝居ができる役者さん達が演じることで、大人が楽しめる話になっていた。

そしてなんと言っても、ゴジラがとにかく怖い。圧倒的な恐怖の対象として描かれている。海上で遭遇した時、東京に上陸した時の絶望感。
またそれに対して人間の無力さも痛感させられる。これは毎度の展開ではあるが、さらに今作では国の力も借りることができず、元軍人を中心とした民間人だけで戦わないといけないと言う、いつも以上に過酷な状況に置かれる。
が、そんな状況の中でも、ゴジラに立ち向かう人々の、未来の日本のため、若い世代のため、最悪死を覚悟しながらも抗う姿に心を打たれた。

ゴジラをやっつける作戦中、ピンチに陥った際に、市井の人々が(漁船等で)応援に駆けつける姿にはジーンときた。
「スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け」のラストでも、かつてのパイロットが加勢に集結するシーンがあるが、この時もけっこうウルウルしてしまった。
個人的にどうやらこうした展開に弱いみたい。

芝居の上手い役者さんがたくさん出ているが、佐々木蔵之介だけ舞台のお芝居のように感じたのは私だけ?
なんか劇団新感線の舞台のような台詞回しに感じた。

芸達者な面々の中に入ると、浜辺美波だけどうしても芝居が軽いかな…。
ちなみに、あの鉄道でのぶら下がりシーン、今年は「ミッション・インポッシブル」と「パターン」でも似たようなのを観たなぁ。偶然のかぶりなんだろうけど、最近の流行り?

逃げ惑う人の中に、大物俳優がカメオ出演しており、ホントに驚いた。(エンドロールにも名前はなかったと思う)

先日の「ロスト・フライト」ではさほど効果を感じなかった轟音シアターも、今作では効果抜群。
ゴジラの咆哮、歩く際の地響きなどが低音で響きまくる。
音というより震動で伝わって迫力満点だった。
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