モリシ

オットーという男のモリシのレビュー・感想・評価

オットーという男(2022年製作の映画)
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回想シーンで映される2人の幸せな姿はいつか終わりがあるように思えてしまって悲しいし、
生きる希望を無くした無気力なおじさんの顔は見ていて切なく辛い。うちの近所にもこういうおじさん2人くらいいそう、っていうほどリアル無気力おじさん。
オットーとして大きな転機がある後半までは泣き虫状態になってしまった。2時間ほぼ泣いていた。

顔は怖いし口は悪いけど、そもそもの性格が自分より他人を大切にする性格なのだろうなというのがよく分かる。
大切な何かを失った自分には価値がないと思ってしまうタイプって、急に自分のこと粗末に扱いがちなんだよね。
後を追いたいほど愛していた。あなたといるから人生が好きだった。と思えたならば、そう思えた人生は最高だろうな。

オットーが唸るシーンが多かったのだけど、唸りだけで何を言っているのか表現できるのは天才的。頂き物の料理食べて「う〜ん!」は可愛い。

ラストは悲しみだけではない涙を流せて良かった。