チャブー

TOCKA [タスカー]のチャブーのレビュー・感想・評価

TOCKA [タスカー](2022年製作の映画)
3.4
「TOCKAは、ロシア語で憂鬱、郷愁、憂愁、絶望、などを意味し、その反意として、憧れ、未だ見ぬものへの魂の探求、などの解釈もある」のか。

確かに「死」がテーマの様で、実は、「生への執着」もまた同時に、テーマにしている様に思えた。特に、男主人公の最期の様子に、それを強く感じた。お礼を言っている様にも思えたけれど。

北海道を舞台とした、寒々しく、終始曇天のどんよりした風景も、その「死生観」を一層際立たせていた。

個人的にちょっと入り込めなかったところは、バットで殴られたのにあの程度の感じだったり、女主人公がお金に困っている様なのに、結構良い物を着ていたり、男主人公の泣きの演技、あれだけ大胆な他人に自分を殺させる計画を立てといて、支払いの詰めがメチャメチャ甘いところや、若者が交尾して思わせぶりに吐いたところ等々…

海に突っ込むシーンは、とっても迫力満点で、危険と笑いと、いろんな要素が凝縮されている、本作の名場面のひとつだったけど、俳優さん大丈夫なのか…”流行りの”コンプラ的にどうなのか…などなど思って観ていたけどアフタートークで、二重三重の安全策が取られていたことお話しされてたのでひと安心だった。

若者と妹は、近親相姦的な関係なのかな…と
勝手に思っていた。

でも、女性主人公が、この後、どうなって行くのかを考えさせてくれる余韻は、良かった。