緑

TOCKA [タスカー]の緑のネタバレレビュー・内容・結末

TOCKA [タスカー](2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

嘱託殺人の話。

という予備知識のみで観に行き、
西部邁の自殺幇助のような話と想像し、
近しい間柄故の請け負う側の苦悩とかを
観られるかと思っていたら全然違っていた。

本作の依頼者は保険金が下りるよう
事故が他殺に見えるようにと考え、
自殺サイトで協力者を募る。
応募したのは歌手になる夢を諦めて
地元に帰ってきた孤独な女。
巻き込まれて協力することになったのは、
自殺幇助で殺したあと冷凍していた妻を
依頼者と孤独な女とで埋めているところに
遭遇してしまった
悪徳廃品回収に身をやつしている男。

場当たり的に依頼者と孤独な女が
海に車で突っ込んで、
悪徳廃品回収屋が助けるという
雑極まりないことを実行するも、
依頼者が溺れながら助けを求める。
で、その少しあとに交通事故。
で、瀕死状態を敢えて放置して死亡。
そして残ったふたりがカーセックス。
最中に吐く悪徳廃品回収屋。

孤独な女が報酬として受け取っていた
架空の借用書を持って悪徳廃品回収屋と共に
依頼者のお線香をあげに行き、
依頼者父に見せるも払う義務はないと
言われて引き下がる。
依頼者娘がひとりでスケートの練習を
しているのを眺め、
娘が去ってから孤独な女が
依頼者の死にたい気持ちを認める発言。
そして悪徳廃品回収屋が孤独な女に、
死にたくなったら殺してあげると
熱烈な告白。
返答はなく孤独な女がスケートで
滑る音のみ残して長い暗転から終劇。

想像と違ったとはいえ話はいいんだけど、
手持ちでの撮影がひどい。
意味のない揺れが多すぎだし、
その揺れ方も観ていて酔いそうになるレベル。
すごく疲れた。

トークショーで浜野佐知から
カーセックスは不要だったと指摘され、
ふわふわした回答の監督。
あの流れは自然だと思ったし、
メンタル強くはなさそうな悪徳廃品回収屋が
吐いてしまうのも極限のストレスによるものと
すんなり理解できたのだが。

Siriしか話し相手がいないことでの
孤独さの演出はとてもよかった。

久々の予期せぬ松浦祐也。
でも衣装のせいか
ご本人の体型変化があったか、
一目で確信が持てず無念。
松浦祐也や川瀬陽太の贅沢な使い方、
監督がピンク出身とのことで納得。
緑