たんぽぽ

⻘いカフタンの仕立て屋のたんぽぽのレビュー・感想・評価

⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)
4.2
日本でも仕立て屋さん、昭和の頃にはあちこちにありました。
私の父も背広やスラックスを頼み、仮縫した服を家で合わせて、それから完成。
子供から見ても、仕立て屋さんってカッコ良かった。

カフタンという晴れ着があるのは知りませんでした。
その工房を舞台にミナ、ハリム、ユーセフのそれぞれの思いが交錯する。
ミナはキツイようで、実は夫を守ろうサポートしようと必死。
そこにユーセフの登場で次第に気持ちが揺れていく。
表情や佇まいで語らせていて、とても良い。

病気の悪化によって、かえって決心が定まる。
思い残すことがないってなんて素晴らしい。
逝く人遺される人それぞれがキッパリして、それからの旅立ち。
心にしみる、素敵な愛の物語。

私が欲張りなのかもしれませんが。
カフタン作るシーンをもう少し多く、もう少し綺麗に見せて欲しかった。
本当の職人さんの手さばきの美しさも見たかった。

「モロッコ、彼女たちの朝」もいつか観たいです。
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