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アーノルドは模範生のhonobonのレビュー・感想・評価

アーノルドは模範生(2022年製作の映画)
3.8
東京フィルメックスにて。

去る者、残る者。

『バッド・ジーニアス』が出てきたタイからまたカンニングをテーマにした作品?と思う反面、スチールのおちゃめな雰囲気が気になって。
思っていたものとは遠い存在だけど、映画祭らしい一作。

冒頭からウェス・アンダーソンのような、時には舐めてるの?と思うオフビートな映像。主役のアーノルドは秀才だけど何か抜けている存在でのんびりな映像が続く。

しかし話が進むに連れてフッテージとして撮り溜めたタイの町並みの暴力が混ざり合う。反体制のデモに立ち寄り、お金で解決する学校内外のやり取りに少しずつ”Model Student”とは、と語り出す。

バッドスチューデント運動が蔓延るタイに「バチン!」と張り手をするような作品、確かにそうかもしれない。
『時代革命』までの規模とはいかないけれど、学校の校則という不可思議さによる権力、学校は最初の独裁と現すくらいの自由のなさをこんなオフビートな映像で描くなんて驚きだらけ。
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