おっさんずラブ版「きっと、星のせいじゃない。」。主演はビッグバン・セオリーのシェルドンでお馴染みのジム・パーソンズ、監督は「タミー・フェイの瞳」「ビッグ・シック」のマイケル・ショウォルターです。何を隠そう「きっと、星のせいじゃない。」は大の苦手映画なのですが、本作はこなれた演出＆お涙頂戴具合の調整で全然大丈夫だった！タイトルは"Spoiler Alert (ネタバレ)"で、実話である原作本ではこの続きのタイトルで結末が書かれていて、映画では冒頭に結末が明かされる「ネタバレ」になっています。

洗練された優等生的な作風な一方で、もう一歩A級になり切れない歯がゆさは監督の過去作と同じく... いや、普通にいい映画なんよ。ただ、典型的な減点方式やチェックリスト方式では高得点を獲れるもののそんなに印象には残らないなぁ系作品とも言えるかも。

「ビッグ・シック」で似た題材を扱っていることもあって、とにかく小慣れた感じで余裕たっぷり器用に重い題材を扱っています。笑わせ過ぎず、泣かせ過ぎずのバランスが絶妙。が、カミングアウトシーンのマイケルのとある一言で私も劇場の皆様も大爆笑！泣き要素に関しては個人的にはいい意味で割とあっさりしているなと思いましたが、中盤からひたすら泣き続けている方もちらほらいらっしゃったのでここら辺は人それぞれでしょう。

クィア・アイのイケメン担...おっと違った泣き虫担当...、じゃなくて料理担当のアントニが!!とりあえずそこに立っとけばいい的なほぼ何も演技しなくていいようにめちゃくちゃ配慮されてるのが丸わかりで、いかにもゲスト出演って感じ(笑)。意味もなく水着にされてるところからも、客寄せパンダに使われちゃったなというところ。まぁイケメンは何でも許されますね(僻み...)。

賛否が割れているのは主演のキャスティング。抜群の知名度とビッグバン・セオリーと同じオタクだからという安直な理由での起用でしょうが、個人的にはジム・パーソンズはミスキャストだと思いました。シリアスな演技が単純に似合わないし、演じる年齢的にもかなり無理があってなかなか他の映画ではみられないほど不釣り合いで気持ちの悪いカップル。

相手役は、カメラの角度によってBrosのビリー・アイクナーと瓜二つに見える場面が多々あり、かつ似たシーンやセリフも目立ち、コレはかなりマイナス。LGBTQ+枠としてみると、直近で公開されたBrosやThe Inspectionはどちらも５年以上かけて練られた作品なので、比較してしまうとどうしても見劣りするのは否めず。まぁ何はともあれ、二人の間のケミストリーや愛がいまいち伝わってこないのがうーんって感じでした。対案なき批判はやめよう運動(？)ということで、マイケル役はジョナサン・グロフ、相手役のキットはザッカリー・クイントでどうよ！

そんなこんなで、冒頭に書いたように要はゲイ版「きっと、星のせいじゃない。」なのですが、良くも悪くも「そこそこ」具合が効いていて、同作が好きな人も苦手な人もそこそこ楽しめる作品だと思います😊。

予告編
https://youtu.be/G9qIwkAi_Zk

飛行機の中で号泣した…。ゲイのカップルだから、というわけではなく、純粋に愛し合う2人の軌跡を丁寧に描いてて、本当に素敵なラブストーリーでした。人生色々、と言ったらそこまでだけど、時間が経つとはこういうことを言うんだなって気づける。離れるときだってある。大切な人と一緒に見ることをおすすめします。

2023 #14

映画館で観た映画で今年1番泣いたかも😭

ベタな御涙頂戴映画なんだけど…私みたいな人がいるから　ベタがベタであり続けるのだと思う😭

ハンカチじゃ足りないのでご注意を😭