ヤマト

梟ーフクロウーのヤマトのネタバレレビュー・内容・結末

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

【 盲信-闇を見極めし者 】
 針察か、診殺か、信察か。
『梟』というタイトルと、衝撃的なジャケットの意味を理解したときの興奮と衝撃たるや、筆舌に尽くし難い。まるで観ているこちらにまで、身体中に毒が回るような感覚に襲われる。
 何という運命だろうか。邪悪な陰謀が城中を駆け巡る。「余計なものを見るな聞くな」というのは実に言い得て妙な表現であった。
「盲信」とは一般的に、間違っている時に使われる表現になるが、本作では意味が逆になる。
 間違っていなかったのだ。目が見えない医者が、彼のみが真実を見ていたのだ。この逆説的な展開には、針で打たれたかのような痺れを覚えてしまう。最後にようやく弟を助けに迎えると思いきや、引き返して王子を助けに向かった正義にも痺れた。
 彼は診察者だったのか。はたまた、針察者か、診殺者か。いや、真察者であったのであろう。答えがハッキリしないのは、やはり毒が回っているからなのだと思う。
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