いち麦

梟ーフクロウーのいち麦のレビュー・感想・評価

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)
5.0
17世紀朝鮮史をベースにした宮廷ものフィクション・サスペンス。頗る腕の立つ盲目の鍼医ギョンスが主人公のため、陥るピンチも講じる反撃もとてもスリリング。意外な展開を分かりやすく見せてくれていて最後まで持続する緊張感で楽しめた。
タイトルは、明所視はできないが暗所視のできるギョンスの明所視障害(昼盲)を夜行性猛禽類に擬えてのものだろう。これ、医学的には恐らく網膜の桿体細胞は正常だが錐体細胞が欠損または機能しないという極めて稀な先天性疾患(0.003%)をモデルにしたものだと思われる。映像でもしっかり桿体一色型色覚を模していたのも好感。
リュ・ジュンヨルは今作で一段と存在感増してきた。李氏朝鮮時代の第16代国王である、曰く付きの仁祖は演技力抜群のユ・ヘジンが演じ、やはり見応えあった。脚本から手がけたアン・テジン監督の今後にも大いに期待している。抜群にサラウンドの効いた場面があり、音響設備の良い劇場鑑賞ができて良かった。
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