タカ

春に散るのタカのネタバレレビュー・内容・結末

春に散る(2023年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

「なんでみんなこんな生き方しかできないのかな」

期待感マックスの予告編から急転直下の何とも残念な思い
133分のめちゃくちゃ無駄に長い映画なのに、なぜこんなに切り抜きダイジェストに感じてしまうのか……
ボクシング映画にハズレなしという個人的定説が覆るほどに面白くない映画だった😓
役者陣の仕上がり具合と見事に相反してるだけに残念でならない

春夏秋冬一年間の物語
そもそも一年間で世界戦に行き着くわけないだろっ❗️という現実的なツッコミは野暮なので止めようと思う
だってこれは映画だから
フィクションの世界なのだから…
そう、フィクションの世界なんだ❗️
だったら血の滲むような、あるいは汗が干からびるような練習シーンや超必殺技を習得するシーンの一つでもありゃ良いでしょ
主人公の強さが分かるようなそんな描写がまったくなく、それどころか再デビュー前の過去の強さが分かる描写もなく、何故だかぬるりと東洋太平洋チャンピオン・世界チャンピオンと肩を並べた三つ巴の興行に抜擢される
正直、意味が分からない
主人公の強さが何も証明されていない(スパーリングは練習にすぎないので指標にはならない)時点で
どういった脈絡でそんな展開になるのか
まったく意味が分からない

技術論的な話もなく、いきなりL字ガードをしてカウンター一閃が最終戦の見せ場
そして結果はスプリットデシジョン
あの〜〜〜〜〜
「大きいジムの選手が赤コーナーに居たら判定で勝てない」それが嫌になったっていう話じゃなかったでしたっけ??
それを封じるにはKO決着しかないと思うのですが、チャンピオン側がプロモーションをしている興行において判定で勝つという結果
一度目の引退の時と今回の試合で何が違ってそういう結果になったのですか??
正直、そこが一番分からない
世界チャンピオンになるのならなるで良いのですが、その辺の理論づけは多少強引でもしないといけないんじゃないですか?
何をどうしたい話なのかまったく分からない

キャラクター描写が雑すぎる
佳菜子は必要なキャラクターだったのですか?
そこを語るくらいなら、対戦相手の中西についてもっとフォーカスして欲しかった
ベルト奪取した時のクレバーな印象と真面目に練習をしている描写の補完が全然ない
不躾でいけすかないところだけのフォーカス
次郎と大塚の師弟物語も突如すぎる
そもそも各人の話が雑すぎる
次郎と恋人?の昔話
仁一の生い立ちの話
三羽鴉時代の話
佳菜子の話全般
佳菜子を中心として考えると、、
生涯を通じておじに初めて会う
→父の忌引を経て上京していつのまにか親しくなったおじの家に居候
→同じくおじの家に居候しているボクサーといつのまにか親しくなる
→翌年におじは亡くなり、居候ボクサーと同棲を始める
"いつのまにか"という余白が多すぎる
そもそも大筋には必要ないキャラクターだと考えてしまう
ドラマパートに微塵も感情が動かされなかった
なぜに133分も尺を使ってダイジェストを見せつけられるのか…

極めつけは終盤でようやく出るタイトル
その描写で『春に散る』ですか…
死ぬ=散るですか…
そのまんまですか…
いや、別の意味があるかもしれないけど、
そこのシーンでタイトルを出すということはそう取られても仕方ないと思う
"春に散る"というのが何を意味するのか考える行間がほしい

今年ワーストに近い映画だと個人的に感じてしまった
ちょっとひどすぎる……
タカ

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